「壁を越える」
目の前に立ちはだかる問題を解決すること。
言葉で言うのは簡単だが、なかなかこれが難しい。
低いものならハードル走のようにピョンピョン飛び越えていけるのだが、高い壁はそうもいかない。
代表となった私には様々な壁が目の前にある。
特に私を阻む壁の中で一番高いと思うのは、「営業」の壁だ。
私は、今まで開発の道をひたすら進んできた。
もちろん開発でも様々な壁はあったが、先輩や同僚、ネットの情報を駆使して都度乗り越えてきた。
開発として顧客との打合せに臨み、技術的な説明をしたり、工数を確保したりもしたが、正直壁のようなものは感じなかった。
しかし、代表となった今、社労士や税理士、他社の営業といった人たちとのやりとりについて、壁を感じてしまっている。
開発としての交渉の際は、要望に対してできるできないが明確で、それを開発者の意見として伝えれば、あとは相手の事情を鑑みつつ、現実的な落とし所に持っていくだけだったので壁のようなものは感じず、むしろ、簡単だなと舐めていたかもしれない。
「営業」を何度か経験してみて、その場ではよし、頑張ったとなっても振り返ってみると後悔をしてしまうことが多い。
自己分析をしてみると、どうやら私は「駆け引き」が苦手なようだ。
例えば、相手から説明をされた際に、よくよく考えてみると「ここ、こういった方法に変えたらどうか」という考えが浮かぶのだが、その場では「あぁ、そういうことか」と勝手に自分で納得して考えるのをやめてしまっている。
他にも、相手から「それはできないんです」と言われた時に、「あぁ、先方にはこういった事情があるから無理なんだろうな」と、相手に都合のいい解釈をし、納得してしまっている。
確かに付き合いもあるので、相手の都合を考えるのも大事だとは思うが、交渉においてそれはもう負けを宣言しているのに等しいと思う。
開発は「答え」があった。
しかし営業はその都度「答え」は変わる。
マストはなんとかこなせているが、それでも「交渉」となると及第点もいけてないだろう。
最低限、損はしないようにはできているが、その先の得を手にいれることができていない。
交渉に臨む際、事前準備は毎回している。
ここだけは死守しよう、これだけは決めよう。
これは確認しよう。
これを言われたらこうしよう。
考えてみるとプログラム思考になりすぎているように思う。
自分で作った脳内プログラムで勝手に実行をしてしまい、解釈もテスト結果が良くなるようにしてしまっているかもしてない。
このままではいけないと危機感を感じているが、正直、どのような対策を施していいのかがわからない。
コミュニケーションが苦手なわけではない。
相手の表情や態度、言葉からある程度考えていることは読めると思う。
となると、大事なのは自分のマインドを変えていくべきなのだろうか。
自己啓発や交渉に関する本を読んでどうにかなるかと疑問はあるが、動かなければ何も変わらない。
まずはそこから試してみようと思う。
壁を越えるのは難しい。
しかし、高ければ高いほど、自己の成長に繋がる。
故意でなくとも、今まで壁としてそこにあったのに目を向けてなかった自分に反省し、
常に挑戦し続けていこうと思う。
とも