ただ普通の卓球のボールを、ただ普通に注文したかっただけだ。
白色の卓球ボールと、オレンジ色の卓球ボール。
同じ規格に見えたその2種類のボールを購買担当に購入するように依頼した。
そして数日後。
「あのぉ、送られてきたオレンジ色のボールなんですけど…」
「うん。オレンジ色のボールがどうした?」
「音がします」
「……」
「オレンジ色のボールは中に何か入っていて、音がします」
「……」
「視覚障害の方用のボールみたいです」
「……」
「どうしましょう?」
「うーん、そうかー。それは闇に葬っておこうか」
「……、わかりました」
Amazonの商品陳列に文句を言いたいが、取り敢えず「無かった事に」
10年振りの大寒波に備え、体が温まるものをと思い「納豆の味噌汁」なんか良いなと。
そしてお湯を注ぐだけの納豆汁を10個注文した。
次の日に段ボールが届いた。
『!』
この段ボールの大きさは何だ。たかがインスタントのカップの味噌汁10個なのに。
まずは段ボールを開けてみた。
何ということでしょう、段ボールの中にはさらに段ボールがあります。
段ボールの中に段ボールが10個あります。
小さな段ボールには味噌汁が6カップ入っているようです。
私は納豆汁を10個注文したかった。
Amazonは60個送ってきた。
少しクラっとしながら、Amazonの画面の納豆汁1カップの写真を思い出していた。
はぁっ。老眼に付け込まれた~。
これからは注文を確定する前にちゃんと確認します。
性格的に厳しいんだけど…
ゆう