武者小路実篤

武者小路 実篤(むしゃのこうじ さねあつ)という人をご存知でしょうか?
私はコラムを書くに当たり初めて知る人物でした。

武者小路実篤の生涯や作品を調べると、その情熱と独創性に深い感銘を受けました。
彼は日本近代文学の先駆者として名を馳せ、その足跡は今もなお私たちに多くの教訓を与えていました。

彼は、白樺派と言われる文学同人誌「白樺」を中心にして活動していました。
「白樺」では大正デモクラシーなど自由主義の空気を背景に人間の生命を高らかに謳い、理想主義・人道主義・個人主義的な作品を制作されています。
また文学だけでなく、オーギュスト・ロダン、ポール・セザンヌなどヨーロッパ美術の紹介や美術展の開催など、美術界にも大きな影響を与えていました。

正直、大正デモクラシーという言葉も今の時代に生きる私には想像が付かないものでしたが、彼の生涯を辿ることで、その時代の背景や思想を理解することができました。

また彼は、理想的な調和社会、階級闘争の無い世界という理想郷の実現を目指して、1918年に宮崎県に村落共同体「新しき村」を建設しています。

村落共同体とは、土地の共有や共同利用を基礎とし、成員の地縁的な相互扶助と規制によって営まれる閉鎖的、自給自足的な共同体という意味です。

そこで彼は農作業と文筆活動を並行して行っていました。
そして後年、彼が離村して村外会員になっても、同村は文筆活動に専念した事を好意的に受け止めていることや、実際に彼が村民だった頃の活動は離村後の彼の執筆に多大な影響を及ぼしたといわれており、また同村にとっても実篤が事実上その象徴的役割を果たしたことは否めず、両者は今日に至るまで言わば持ちつ持たれつの関係にあり、お互いを尊重できることに深い感銘を受けました。

今もなお続く主義、主張の違いで起こる争いを無くし、お互いを尊重し合い、持ちつ持たれつの関係となれる世の中を作れるよう、日々勉学や挑戦を忘れず小さなことからコツコツ変えていこうと思います。

あさ

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