AIとの付き合い方

近年、AIは目ざましい成長を遂げている。
「膨大なデータの中から最適な答えを提示してくる」という従来のAIではなく、
生成AIと呼ばれる「無から形を生み出す」という力を持ったものが、ビジネスシーンや日常生活で活用され初めている。

画像生成AIでは「家族でお花見をしている絵を描け」と指示をするだけで、それらしい絵が完成し、さらに「ペットの犬を追加して」といった要望を加えることもできる。

今までも「AIが発達することで無くなる仕事」という見出しの記事を目にしたことは有ったが、当分先だろうなと思っていた。
しかしこの1~2年で、その記事が急に現実味を帯びてきたように感じる。

ただし、まだまだAIとの付き合い方には注意が必要だと思っている。
プログラムのコーディングについて、私なりにChatGPTに質問をしてみて、ChatGPTが提示してきたコードを見てみると、概ね当たってはいたが、やはり細かいミスは有った。
さすがにそのまま使用することは出来ないと判断せざるを得なかった。あくまでも参考にとどめておくべきと判断した。

ChatGPTはこれからも成長し、さらに的確な答えを提示してくるかも知れない。
しかし、私はこの力を、簡単に新人に使って欲しくないと思った。

私は開発に限らず技術を身に付けるということは、自力で調べたりトライ&エラーを繰り返し経験することが、大切な成長の機会だと考えている。
ChatGPTが答えるコードをコピペしただけで、プログラムが動いてしまった日にはその大切な経験値を育てる機会が失われてしまうだろうなと。

もちろん効率を求め、便利さを追求することは悪くない。
先人が苦労して解決したことについて、同じ苦労をすることに意味は無いと思う。しかし、その苦労が技術者の成長と力になることは経験から分かる。

「自分が欲しい情報を探し出し、見付けだす力」は自分の力で様々な情報を取捨選択しながら調べきった時とChatGPTを利用してそれを取得した時では、同じ技術者としても成長の度合いが変わってくるだろうなと。

さらに画像生成AIでは著作権の問題等がある。
例え意図しなくとも結果として他の作家の作品に酷似した絵が出来てしまう場合も有る。
いくら意図しなかったと言っても著作権を侵害しているケースが起こり得る。
だからこそ、AIの利用者のモラルやルールの理解が大事になってくる。
新しいモラルやルールの運用が必要になってくるだろう。

AIが発達し、身の回りがどんどん便利になっている。
便利だからと、すぐに飛びつくのではなく改めてAIとの付き合い方について、今一度しっかり考えてからでも遅くはないと思う。

とも

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