日本の歴史上、ひとつのエポックメーキングと言われる桶狭間の戦いで、勝者となった織田信長がその論功行賞で最大の評価をしたのは、今川義元の首を獲った兵(服部小平太と毛利新介)ではなく、敵の位置・状況を知らせた兵(簗田政綱)だったと言われている。
服部小平太と毛利新介は信長の家臣で、簗田政綱は土地の地侍で農業経営者だったらしい。
流石、織田信長。その時代最も重要視されていた一番槍や一番首を凌いで、勝ちに繋がった「情報」に一番の評価を下した。その時代の人はびっくり仰天だったかも知れない。
だが、本当に凄いのはその情報を勝ち戦に繋げた織田信長その人だろう。
論功行賞も信長という人を著わしていると思うが、やはり圧倒的な計算と実行力がもたらした結果が信長の凄さとして多くの人に認められているのだろう。
今風に言えば、何十倍もの敵をものともせず、ボトルネックとなる弱点を見切り、一点攻撃で勝利の栄冠を得た。
情報によっては手にするだけで難しい。それを活用するとなればさらに難易度は上がる。
それは今の時代も変わらない。
単純に信長の例を勝負(競争)や経営に当て嵌めれば、最大のポイントは実行力となる。
加えて信長の計算には、常人には計り知れぬ「勝ちを掴むセンス」というものが有るように思う。誰が見ても負け戦にしかならないものを一転勝ち戦に変えたのは、やはり信長の計算と言うしかない。
まあ、平和な時代にあれこれ理屈を言うのは簡単だ。
しかし、平和(だと思っているのは、愚か者かな)な時代にあっても、情報の共有(取得)と活用は、かの時代と何も変わらないと思う。
「情報」に対して、背筋を伸ばしてつねに刮目しよう。
ゆう